コラム5 はじめてパート・アルバイト・正社員を採用する際の注意点
パート・アルバイト・正社員の定義
そもそもパート・アルバイト。正社員の定義って何なんでしょうか?
素朴な疑問ですが、簡単に答えられる定義が存在していません。
つまり、明確な違いを表す定義というものが、存在していません。
よく経営者の方はこんなことを言われます。
「○○さんは、アルバイトだから社会保険に加入しなくていいんだよ」
とか、
「○○さんは、アルバイトだから、夏のボーナスがないんですよ」
等々明確な定義がないのであれば、自社内にその違いを規定する就業規則がないとおかしなことになってしまいます。
参考までにある特定の法律や行政官庁では次のような独自の定義をしているものはありますが、これはあくまでその限定された行政官庁内でのお話になります。
参考1 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
短時間労働者(=パートタイム労働者)とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者にくらべて短い労働者をいう。
(アルバイトという言葉は定義されていません)
参考2 日本年金機構 被保険者報酬月額算定基礎届 総括表 附表
パートタイマー:1日あたりの勤務時間が一般従業員より短い人
アルバイト:日の勤務時間が一般従業員と同程度でパートタイマーに属さない人
つまり、「パートだから・・・」 「アルバイトだから・・・」と言って、勝手に、社会保険や労働保険の加入要件を自分で決めてはいけないということなのです。
パート・アルバイト・正社員の社会保険・労働保険の加入要件
定義があいまいである反面、社会保険や労働保険の加入要件は厳密に決められています。
つまり、社会保険や雇用保険は、パート、アルバイト、正社員と言った呼び名で判断するのではなく、加入すべき明確な要件で判断する必要があるのです。
加入要件の詳細は、
よくある質問をご覧ください。
はじめて従業員を採用する時の手続きと注意点
一般的には次のようなステツプを踏んで進めていくことになります。
- アルバイトや社員等の募集 (募集媒体の選定)
(例)ハローワーク、 リクルート、 エンジャパン…等々
- 書類審査 (履歴書、職務経歴書での審査)の実施
- 面接(行動での審査)の実施
- 雇用契約の締結 (雇用契約書、労働条件通知書)をする
…パート・アルバイトであっても必ず雇用契約を締結する。
- 必要書類を社員から入手する
(1)前職の源泉徴収票
(2)扶養控除等(異動)申告書
(3)通勤経路のわかるもの
(4)その他(年金手帳、雇用保険被保険者証、健康診断書、誓約書等)
- 会社として諸手続き(労働保険・社会保険の加入等)を行う
☑労災保険場所:労働基準監督署
書類:労働保険保険関係成立届・概算保険料申告書
☑雇用保険場所:公共職業安定所(ハローワーク)
書類:雇用保険適用事業所設置届・雇用保険被保険者資格取得届
☑社会保険場所:日本年金機構
書類:健康保険・厚生年金保険新規適用届
健康保険・厚生年金保険資格取得届
健康保険被扶養者(異動)届(正・副)
国民年金第3号被保険者資格取得届
- 時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)の提出
- 法定3帳簿の整備・給与計算の整備・就業規則の整備
注意①
ここでのポイントと注意点は、店舗等の開店がまじかにせまっていると履歴書や面談の審査がおろそかになりがちです。
じっくり審査をしてください。ここをいい加減にすると、あとあと問題社員にふるまわされることになります。
注意②
雇用契約書は親しい間柄の人でも必ず結んでください。親しければ親しいほど後々になって「言った、言わない」等の内容でもめることが多いのです。