協会けんぽの健康診断の種類と特徴

こんな質問をよくいただきます。
「事業主の義務とされている年1回の定期健康診断は、何を受けさせればいいのか?」
「協会けんぽからいろいろな書類が送られてくるが、健康診断の違いがよくわからない。」
正直、我々もよく健康診断の用語を混乱してしまいます。
そこで、全国健康保険協会(以下 協会けんぽ)の例をもとに健康診断の内容の違いと定期健康診断の代用になるのかどうかという視点で説明させていただきます。
健康診断は主に、労働安全衛生法や協会けんぽでは次の3つのことばを使い分けています。
①定期健康診断 ②生活習慣病予防健診 ③特定健康診査
それぞれの特徴とポイントは次のようになります。
定期健康診断
労働安全衛生法のなかで、事業主が正社員に対して通常1年に1回の受診を義務付けられているものであり、フルタイムの正社員であれば年齢に関わらず受診させる必要があります。
生活習慣病予防健診
けんぽ協会が、病気を予防するための保険事業の一環として、対象者を年齢によって限定し(35歳以上)、協会けんぽが「費用を補助」することで充実した健診を実施するものです。
そのため、実施項目は似ているものの、生活習慣病予防健診のほうが健診内容が充実しています。
特定健康診査(メタボ健診)
協会けんぽが、メタボリック症候群に着目して、40歳から74歳の全ての人を対象にして実施される健康診査です。
<ポイント1>
そこで、生活習慣病予防健診は、定期健康診断に代用できるものなのか?
➡協会けんぽの生活習慣病予防健診にはいろいろなコースがありますが、その中の「一般健診」を受診した人については定期健康診断に代用することが可能です。 しかし、「がん検診」などを単独で受けた場合には、定期健康診断とは検査項目が異なる為、別途改めて定期健康診断を受ける必要があります。
<ポイント2>
では、生活習慣病予防健診は社員全員が受けられるものではないのか?
➡生活習慣病のリスクが高まる年齢(一般健診は35歳)を超えた人に対して費用補助をし受診をオススメしているものなので、全員がうけられるものではありません。
よって、生活習慣病予防健診の対象者の全員が一般健診を受診したとしても、34歳未満の社員がいる会社は別途、病院で定期健康診断を実施する義務が残ってしまうことになります。ですから、35歳未満の方は、協会けんぽからの健診費用の補助はありませんので申込ができません。
ただし、全額補助なしで定期健康診断の代用で受診をさせるには、健診機関(病院)に直接ご相談ください。協会けんぽの健診申込書に、35歳未満の方の申込をご記入されましても、協会けんぽから健診機関へ情報をお伝えしてくれませんので、注意が必要です。
<ポイント3>
生活習慣病予防健診の費用は会社負担なのか?
➡生活習慣病予防健診の一般健診を定期健康診断の代用として受診するのであれば費用は会社負担です。しかし、がん検診などを単独で受診した場合は受診する社員に負担させることでも全く問題ありません。
<ポイント4>
Q、特定健康診査(メタボ健診)を定期健康診断に代用することは可能なのか?
➡これはできません。生活習慣病予防健診が加入者本人が対象であるのに対し、特定健康審査(メタボ健診)は加入者の家族でかつ40歳以上の被扶養者が対象になるからです。