【新】労働者派遣事業の免許取得とその注意点

労働者派遣とは?

労働者派遣事業とは、派遣元事業主が雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて派遣先のために労働に従事させることを業としておこなうことをいいます。
◆参考◆

請負契約とは 労働の結果としての仕事の完成を目的とするものです。
派遣との違いは、請負には注文者と労働者の間に指揮命令関係を生じないという点にあります。
指揮命令があるにも関わらず、派遣契約をせずに請負契約をすることを、偽装請負契約といい、法律違反になりますので注意しましょう。

派遣が禁止されている業務とは?

以下の業務は派遣事業が禁止されています。
①港湾運送業務
②建設業務
③警備業務
④病院等における医療関係の業務(一部を除く)
⑤その他(弁護士、司法書士、税理士(一部業業務は除く)、社会保険労務士(一部業務は除く)

労働者派遣事業の申請から許可までの流れ

受理月
申請書類の
提出・受理
受理月の翌月
労働局内審査
(実地調査・書類審査)
受理月の翌々月
厚生労働省内審査
労働政策審議会
1日許可
◆例◆
たとえば、4月10日に申請書類が受理された場合、最短でも7月1日の許可通知ということになります。
実施調査は、労働局が指定した日に調査を受けることになるために、実施調査日程の調整が必要な場合には、審査が遅れることになり、許可通知も1か月以上さらに遅れることになります。

申請に必要な手数料について

1事業所あたり12万円(収入印紙)が必要になります。
(複数事業所の同時申請の場合には、2事業所目以降は1事業所当たり5万5千円がさらに必要になります)
また、9万円の登録免許税の納付が必要になります。

申請に必要な添付書類及び許可要件

法人に関する書類

  定款(変更があれば 変更にかかわる株主総会議事録も添付)
  履歴事項全部証明書(事業目的に「建設業関連」や「警備業関連」の記載がある場合は、
     派遣禁止業務には派遣しないこと旨の誓約書)

◆要件◆
①事業目的に「労働者派遣事業」が明記されていること。
②一定の欠格事由に該当しないこと
③専ら労働者派遣の役務の提供を特定の者に提供することを目的として行われるものでないこと。
代表者、役員(監査役、社外取締役含む)、派遣元責任者に関する書類

  住民票(本籍地記載のもの)
  履歴書
  派遣元責任者講習受講証明書
     ※なお派遣元責任者と役員を兼務する場合は兼用で可
     ※住民票と居所が異なる場合➡居所が確認できるもの
     ※派遣元責任者の履歴書➡雇用管理経験、部下の数を記載
     ※なお派遣元責任者と役員を兼務する場合は兼用で可
     ※住民票と居所が異なる場合➡居所が確認できるもの
     ※派遣元責任者の履歴書➡雇用管理経験、部下の数を記載

◆要件◆
①一定の欠格事由に該当しないこと
②住所及び居所が一定しない等、生活根拠が不安定なものでないこと
③派遣元事業主となりえる者の名義を借用して許可を得るものでなこと

さらに、派遣元責任者については、以下の要件も必要になります。

派遣元責任者を適切に選任、配置していること。
自己の雇用する労働者又は役員(監査役は不可)かつ、派遣元で派遣元責任者として業務に専念できる者から選任すること。
②労働者派遣が行われている地域に日帰りで往復できること
職務代行者を選任すること(具体的要件はありません)
派遣元責任者講習を許可の申請の受理の日前3年以内に受講すること
3年以上の雇用管理経験があること(履歴書に明記、部下はアルバイト等でも可)
資産に関する書類

  直近の事業年度における「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」
  納税申告書の「別表1」、「別表4」
   (別表1は、税務署の受付印があるもの 電子申告の場合は税務署のメール詳細を添付)
  法人税の納税証明書(その2所得金額用)

※法人設立後決算期を迎えていない場合は、法人設立日の「貸借対照表」のみ

なお、緩和されて資産要件にて申請する場合は以下の書類も必要になります。
  労働者名簿(申請日の前月末現在の労働者名簿)
  法第7条第1項第4号の財産的基礎に関する要件についての誓約書(様式第16号)
  労働者派遣事業許可申請にかかわる3年間の暫定措置または当分の間の措置に関する
     常時雇用する派遣労働者数の報告について(様式第17号)

◆要件◆
基準資産を以下のように定めます。
基準資産 = 資産総額 - 負債総額 - 繰延資産 - 営業権(のれん)
【原則】
①基準資産が1事業所あたり2000万円以上
②基準資産が負債総額の7分の1以上
③現金預金が1事業所あたり1500万円以上
【小規模事業主に対する暫定配慮処置1】
1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が10人以下の中小事業主
暫定措置期間:当分の間
①基準資産が1000万円以上
②基準資産が負債総額の7分の1以上
③現金預金が1事業所あたり800万円以上
【小規模事業主に対する暫定配慮処置2】
1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が5人以下の中小事業主
暫定措置期間:平成27年9月30日~平成30年9月29日
①基準資産が500万円以上
②基準資産が負債総額の7分の1以上
③現金預金が1事業所あたり400万円以上
【資産要件を満たさない場合の措置】
資産要件に関する要件をどれか1つでも満たさない場合、追加により資産要件が満たすかを再審査します。
➡中間決算又は月次決算を行い、利害関係のない公認会計士(あるいは監査法人)に関さ証明書を発行してもらう。(税理士は不可)
追加書類として、
・中間決算又は月次決算の「貸借対照表」「損益計算書」
・監査証明書
・利害関係のない旨の証明書
事業所に関する書類

  事業所の使用権を証する書類
     ➡事業所を所有する物件の場合:不動産登記事項証明書
     ➡事業所が賃貸物件の場合:賃貸借契約書のコピー
  事業所のレイアウト図
     イス、机、パーティション等まで記入し、派遣元責任者の席、面談スペース、
     個人情報保管場所を示す。 ※住民票と居所が異なる場合➡居所が確認できるもの

◆注意事項◆
複数の法人との同居や居住兼用の場合は、賃貸借契約書の契約内容(賃貸目的が事業用になっているか等)や事務所レイアウト等に注意が必要です。
◆居住兼用の場合のサンプルレイアウト図◆

<改善前>

<改善案>

◆改善のポイント◆
Aは、リビング(居住空間)を経由して事務所内に入るため独立性を有しているとは言えません。
Bは、居住空間を経由しないため独立性を有していると解釈できます。
◆要件◆
①事業で使用している面積が20㎡以上であること。
使用目的が事務所であること。
③事業所の独立性が保たれていること
個人的秘密を保持しうる構造であること
⑤事業の運営に好ましくない場所にないこと
派遣労働者のキャリア形成を支援する制度等に関する書類

  就業規則または労働契約(雛形でも可)の以下の該当箇所

教育訓練受講時間を労働時間として扱い、相当する賃金を支払うことを原則とする取り扱いを記載した部分。
無期雇用派遣労働者を労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇しないことを証する書類。または、有期雇用派遣労働者いついても、労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇しないことを証する書類。
…労働者派遣契約の終了に関する事項、変更に関する事項及び解雇に関する事項について規定した部分。
無期雇用派遣労働者または有期雇用派遣労働者であるが労働契約期間内に労働者派遣契約が終了した者について、次の派遣先が見つけられない等、使用者の責に帰すべき事由により休業させた場合には、労働基準法第26条に基づく手当を支払うことを規定した部分

  派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供のための事務手引き、マニュアル等またはその概要等の該当箇所

その他の必要な書類

①個人情報適性管理規程
②就業規則(労働基準監督署の受理印があること)(キャリア形成支援の書類で就業規則を提出した場合のみ)
③自己チェックシート(様式第15号)
④企業パンフレット等事業内容の確認ができるもの(ホームページのコピーでも可)
⑤公正採用選考人権啓発推進員選任状況報告
⑥状況に応じてその他の追加書類

緩和された資産要件にて申請する場合に必要な追加書類

①労働者名簿
②法7条第1項第4号の財産的基礎に関する要件についての誓約書(様式第16号)
③労働者派遣事業許可申請の3年間の暫定措置に関する常時雇用する派遣労働者数の報告について(様式第17号)