コラム

コラム7 第1子の育児休業中に第2子を妊娠した場合の得する手続きとは?

 現在、第1子にかかわる育児休業中で、雇用保険から育児休業給付金をもらっています。今回、第1子の育児休業期間中に、第2子の産前産後休業が開始になる状況です。
この場合、第2子の産前休業が始まったところで第1子の育児休業給付金は打ち切られ、代わりに健康保険から第2子の出産手当金を申請するという手続きでいいのでしょうか?
こんなご質問を稀に頂きます。
通常は、そのような支給パターンになってしまうと考えます。
しかし、実は手続のやり方次第で、産前の期間については育児休業給付金と出産手当金の両方をもらうことも可能です。
 まず、育児休業は、本人が申し出た育児休業終了予定日に終了しますが、その以外にもいくつか終了となる事由が定められていて、その一つに、新たな産前産後休業、育児休業、介護休業が開始された場合が挙げられています。
つまり、第1子の育児休業中に第2子の産前産後休業が開始されると、その前日に育児休業は終了します。そして、雇用保険から支給される育児休業給付金も同時に支給終了となります。
 ところで、労働基準法に定められる産前産後休業のうち、産前休業については、労働者が請求して取得することになっています。つまり、産前休業をあえて請求しなければ産前休業が開始されることもなく、育児休業が終了する事由にも該当しないことになります。
 では、ここで健康保険から支給される出産手当金について考えてみましょう。
出産手当金の支給期間は、産前産後休業期間と一致していますが、出産手当金の支給要件には、労働基準法上の産前産後休業を取得していることは、支給要件となっていません。あくまでも、産前産後の期間内で、当該期間中に仕事を休業し、賃金の支払を受けていないことが必要な要件です。つまり、育児休業で休んでいるか産前産後休業で休んでいるかは関係ないのです。
 ここまでをまとめると、第1子の育児休業期間中に第2子の産前休業を請求できる期間になったとしても、あえて産前休業を請求しないで、育児休業をは終了させずに育児休業給付金の支給を受け続け、さらに休んでいるということと賃金を受けていないということで、出産手当金の支給も申請できるというわけです。
なお、労働基準法における産後休業は、労働者の意思に関わらず就業が禁止されるため、強制的に取得しなければなりません。
したがって、第2子の出産日をもって自動的に第1子の育児休業は終了し、その翌日から第2子の産後休業が開始され、第2子の出産手当金だけが支給される形となります。
さらに、産後休業が終了すれば、今度は、第2子の育児休業給付金を申請できるということになります。
では、第二子の育児休業給付は、必ずもらえるのでしょうか?
さらに言えば、第3子はどうなんでしょうか?
そんな疑問が生まれてきますね。
これは、また別のコラムでご紹介いたします。