中小企業には様々な税制に関するメリット制度があります。知らないために損をしたということがないように、ここでは代表的なものをご紹介しておきます。
■青色申告制度
青色申告制度とは、会計取引を正規の簿記の原則(複式簿記)により会計帳簿に記入し、その帳簿に基づき税務申告するものに対して、欠損金の繰越控除、特別償却などの特典を与える制度です。
1.個人事業者における青色申告の特典
①青色申告特別控除制度:65万円の所得控除
(事業所得、不動産所得の事業を営む青色申告者)なお上記以外の者は10万円の所得控除
②青色事業専従者給与控除制度:家族専従者に対する支払給与が全額必要経費に算入
2.法人税率の軽減(中小法人は法人税法での定義に従う)
大法人:期末資本金が1億円を超える法人 税率30%
中小法人:期末資本金が1億円以下の法人 年所得が800万超部分 30%
年所得が800万円以下の部分18%
(平成23年3月31日まで22%から18%へ軽減措置されています)
3.交際費課税の緩和
交際費は原則損金算入できないが、中小企業に対しては、一定額の損金算入が認められます。
大法人:期末資本金が1億円を超える法人:全額損金不算入
中小法人:期末資本金が1億円以下の法人:年600万円までの支出額の90%まで
4.欠損金の繰越制度
①青色申告書を提出している法人
② 欠損金の控除は、翌事業年度以降から順次行う
③繰越期間は7年間
■中小企業投資促進税制
機械・装置その他の対象設備を導入した場合、税制の特別控除が受けられる制度。
対象者: 青色申告をする個人事業または資本金1億円以下の中小法人
対象となる機械・装置等:取得価格が160万円以上の機械・装置であれば種類を問わず、幅広く対象となる。また、器具、備品(電子計算機、デジタル複写機)やソフトウエアも対象になる。
制度内容:7%の税額免除または30%の特別償却が受けられる
■エンジャル税制
個人投資家のリスクを低減し、中小企業への資金供給を円滑化させ、新規産業の創出・発展を目的とした税制措置制度です。
対象者:創業期の(創立10年未満)の中小企業者に該当する未上場の株式会社であり、次のいすれかに該当する者
①試験研究費等の売上高に占める割合が3%超(創立5年以上10年未満の場合は5%)または売上高成長率が25%超等であって、かつ外部からの投資を投資時点で6分の1以上取り入れている会社
②日本証券業協会のグリーンシート・エマージング銘柄に指定を受けた会社
③経済産業大臣が認定した投資事業有限責任組合を通じて投資を行った会社
(※グリーンシートとは、日本証券業協会が未上場中小企業のために開設した証券市場のこと)
制度内容:個人投資家が当該株式に投資した場合、譲渡等をすることにより、利益・損失が発生した場合のいずれでも課税の特例が受けられる。
●投資資段階:
①(ベンチャー企業への投資額-5000円)をその年の総所得金額から控除
②ベンチャー企業への投資額をその年の他の株式譲渡益から控除
(※投資家は①②の選択可能)
●譲渡などをした場合
①損失が発生した場合、損失を翌年以降3年間繰越して控除
■人材投資促進税制
従業員に教育訓練を実施した場合、税制の特別措置が受けられる制度
対象者:青色申告を提出し、教育訓練を行った個人事業者または資本金1億円以下の中小企業等
制度内容:労務費に占める教育訓練費の割合が一定水準(0.15%)以上の場合、教育訓練費の総額8~12%に相当する額が法人税額から控除される。
教育訓練費費の内容:外部講師謝金、外部施設等使用料、教科書その他の教材費、研修委託費、外部研修参加費
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