サラリーマンを辞めて独立される際に、個人事業主としてスタートすべきか法人化にすべきか悩まれている方が意外に多いようです。なんとなく法人の方が響きはいいものの面倒くさそうだ。ということのようです。市販の本を読むと 税金対策だとか社会保険料対策だとかたくさん出ていますが、、難しすぎて読む気がしないというのが現実だと思います。それは制限や例外規定が多すぎで、でもそれを説明しないとウソになるから書かないわけにいかない。という事に起因しています。ただ、それですと、すっきりしないのでふっきれないというままになってしまいます。そこで、法人設立のメリット・デメリットを私流にシンプル?にまとめてみました。
(複雑な規定が多いのでシンプル化を図るためにかなり斬新な部分もあります。そこはご了承ください)
<会社設立の主なメリット・デメリット>
主に個人事業と法人との違いに視点を置いています。(一部両方に共通する項目も含まれます)
①メリット
・法人は有限責任(個人事業は無限責任)
つまり法人の借金により払いきれない財務は個人の資産に及びません。
・社会的信用度:
融資を受けるとき、大手企業と取引するときなどに威力を発揮します。
・2年間消費税が免税(前提:資本金1000万円以下)
・生命保険料の必要経費算入
前提として会社が受取人の場合に限りますが、個人事業主ではそのようなlことはできません。
・乗用車の事業用化(必要経費算入)
個人事業の場合は、公私の区別があいまいなため按分比率が法人より厳しくなります。
・自宅を会社の社宅扱いにすることで家賃を必要経費に算入(個人事業では不可)
・節税効果
(一例) 売上1000万の場合
個人事業:売上1000万―経費400万=所得600万に所得税がかかる。
法人 :法人として
売上1000万―(役員報酬500万+経費400万)=100万の利益に法人税がかかる
経営者個人として、
役員報酬500万―給与所得控除154万=346万に所得税ががかる。
つまり、総計446万円に税金がかかっていることになります。
結果、課税所得が法人の方が少ないことがわかります。
(注意)ただ、役員報酬と会社の利益を合わせて1600万円超の場合、給与所得控除の金額が会社の必要経費に認められないため(役員報酬損金不算入という)、このケースでは役員報酬と会社の利益を合わせて1600万以下の場合において節税効果があります。(あくまで計算をシンプルにしており、また、一例にすぎませんのでご了承ください)
・家族に給与を払って所得分散して節税化を図ることが可能
・退職金は必要経費
経営者の配偶者も社員として対象にできますが、個人事業主には退職金という考え方自体がない
・社会保険(厚生年金、健康保険)に加入可。
個人事業主はは社会保険に加入できないので国年、国民健保になる。
・厚生年金の場合、配偶者が主婦なら3号被保険者になり保険料負担がない。
3号被保険者はタダで社会保険に加入しているのと同じですが、個人事業の場合の国民年金は配偶者が主婦でも定額負担になる。
・社会保険料は必要経費
②デメリット
・設立費用と運用コストがかかる。
・役員報酬や役員賞与のルールが厳格化されている(原則変更は1回/年)
・会計帳簿や社会保険が面倒
お金に注目する場合は、税金だけ、あるいは、社会保険料だけで考えずにトータルで考えないと見誤ります。
各人の家族形態や従業員の有無等を総合的に検討すべきです。
ただ法人化は 本来お金の観点というよりも、企業間取引の上での社会的信用がかなり大きな要素だと思います。
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